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風を切る

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分岐点

 商売を始めて30年の歳月が、後2日で過ぎようとしています。1985年9月28日(土)は、雨のち曇り。
就職当初の心象を含め、改めて今日に至る自分の考えをまとめてみたい心境に駆られ記してみました。
親孝行が出来ないまま早世した両親の背を、今でもずっと追い続けているように思えます。   

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 私が生まれた頃、父は自転車の卸業を生業としていました。どうして自転車に関わる仕事に就いていたのかは、今となっては知る手立てがありません。おそらく父の叔父達が、自動車、オートバイ、自転車に
関わる仕事をしていた事が、起因なのだろうと思っています。
 
 父は、国鉄(現JR)大阪駅近くの高架下に小さな薄暗い事務所兼倉庫を構え、自宅から電車で通勤をしていました。その頃、自転車業界の営業は、運搬車の荷台に竹で編んだ大きな行李(こうり)を載せたのが主流で、父も自転車の部品などをその中に積み込んでお得意先を走っていたようです。
時折り、その運搬車で家に戻り、私を行李に乗せて近所を一周してくれたのを思い出します。
運搬車からオートバイ、昭和40年頃には軽のライトバンへと代わって行きました。
 父は、50歳で他界していますので、もう私の方がこの業界では長く居座っている事になります。

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 厳しく躾けをしてくれた母が、高校1年の秋に他界。生活は、一変して乱れて行きます。
大学には通っていたけれど、『将来に対する夢』等は持ち得ていなく、父は心を痛めていたと思う。
寡黙な父でしたが、「人間は信用が第一」と、私には事あるごとに呟いていた。
まともに大学へ通わず、遊び呆けている怠惰な毎日。耐えかねた父の口利き(無試験)で就職します。
 業界は、空前の自転車ブームで活況でしたが、若い私にとってお世辞にも華やかな世界とは言い難く
「何でこんな所で、、いつここから逃げ出そうか」そんな事ばかりを考えて毎日を過ごしていた。
しかし、就職して3年目に突然の父他界で覚醒(せざるを得ない)、、、10年後独立。
その間、結婚し二児の親に。思えば、20代前半に行先が漠然と見え始める慌ただしい時でした。

 1985年初夏、今も目の前にある公園の石垣に先輩と2人で腰を掛け、世紀の一大決心。
『お客様の為の店づくり お客様の為の商いであって欲しい』との言葉を上司から贈られ今日に。

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Commented by shinmama at 2015-09-26 18:09 x
ちょうど 10年前からブログを始めていらっしゃるようなので
古い日付けのブログを 拝見させていただきました。
http://kazewokiru.exblog.jp/868058/
この石垣には 深い思い出がおありなのですね。

ありがとうございます。
来月の初めに 亡父の法要で 母と京都へ行くのを 億劫に感じていましたが
とんでもない 考え間違いだと気づきました。
Commented by kazewokiru at 2015-09-26 19:53
shinmama様

もし今、「親が、元気でなくても生きていたら」と、毎日のように思います。
お仏壇に手を合わせる回数、お墓参りに行く回数が、増えてきました。
歳を重ねた証でしょう。
もう母の歳より22年、父より12年も長く生きているのに、未だ背を追っているのが滑稽。

この石垣は、何度も自分でも飽きるほどに使っています。
10年前と変わらないのはスキルも同じです。(笑
Commented by 小肥り at 2015-09-26 21:27 x
一生懸命生きていればだれもなにも言わんのよ。ね。
ボクは自分を振り返ってみて恥ずかしいことは・・・・なにも・・・無い・・・と思う。
いろんな人に迷惑はかけたけどね。
Commented by kazewokiru at 2015-09-27 09:26
小肥りさん

今朝の散歩中のこと。
ご近所の車のロックが上がってまして、
インターフォンを鳴らして「車のドアが開いてますよ」
たまたま見ただけですが、これを指摘する人も少ないでしょうね。(と、思った)
自画自賛。善行を重ねたい。
Commented by at 2015-09-27 21:39 x
一通を逆行してきた車が止まったので、「逆行ですよ」と指摘したら、
そんなこと判ってるわというような目で睨まれた。
P店が開いてない時間に、P店の駐車場に入っていったけど従業員だったのかな?

ウォーキングのゴール受付近くで、落ちてるスマホを発見。
すぐ近くの椅子に腰掛けている、女性に聞いたけど違うというので、受付に預けた。
しばらくしたら、アナウンスしていたので、持ち主に戻ったと思う。

いずれも今日の出来事でした。

Commented by kazewokiru at 2015-09-27 21:58
岬さん

朝から善い事をしたけど、行楽日和で仕事はサッパリでした。
でもね、、、今夜、子供達から30周年記念品の贈呈がありました。

僕の場合、善い事を言ったつもりが、一言多くなるのが困ったもんですが。
by kazewokiru | 2015-09-26 11:56 | 輪談 | Comments(6)

特技「余計な一言」      職業「街の自転車屋」since1985


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